
- 08年05月20日
- ホントは誰にも会いたくないの。天涯孤独になりたい。構わないでほしい。住民税なんて取らないで。
- 08年05月05日
- 叩き付けられた現実。健康診断での判定は"C"。"C"とは肥満の"C"らしい。
容易につかめる自己の脇腹。悲しくて、涙がこぼれる。私の理想とは、骨と、皮と、弛んだ脂肪と、白髪と、黄色く濁った白眼と、ぷるぷると震える指先、よぼよぼとした足取り、そんな、老人。このままでは、脂と、禿と、人望と、権力と、資産、孫、庭付きの一軒家と、らくらくフォン、そんな将来、未来が頭に浮かび、まあ、いいか。
- 07年01月
- 一昨年の終わりに知人の占い師に視てもらった、昨年の運勢。昨年が終わったばかりの今年。振り返ってみる。一昨年の末の状況、自己の進路にいくつかの選択肢。人生の、いわゆる、転機。Aと、Bと、2つの道。分岐点。選択肢の一つ(A)をじっくりと視てもらった。ひと月毎の未来の状況を窺う。
結局選んだのは、別の道(B)。窺い知れぬ未知が待ち受けている、ハズ、だった。が、振り返ってみると、酷似している。選ばなかった未来と、選んだ現実と、微妙なズレはあるものの、総じて見ると、まるで予知されたかのような現在。つまりは、何を選択しようとも己の未来は、予め確定しているということなのか。妙に納得してしまう。そういえば、昔、盗み見た曾祖父の日記において、そのような内容のことが書かれていたことを思い出す。だからといって、この運命論者への誘惑について、抗い難いということもなく、まあ、なるようにしかならん、と、深くは考えるな、と、説得を試みる己の心のささやきに素直にしたがうことにしようではないか。
- 05年09月15日(木)
- 呑んで、帰って、気付いたら、アイス食う途中、寝入ったみたいで、枕元に、食いかけの、チョコ・モナカ、とろけてる。俺、ネクタイしたまんま。今何時?寝ぼけマナコで這い起きて、時間、確認しようとするが、枕元の、チョコ・モナカ・ジャンボ、トロけたの、踏んづけて、滑って、転んで、頭、ズガンっ!!受身取れず。目が覚めた。ああ、夢。って、枕もと確かめると、トロけたチョコ・モナカ、未だ健在。蟻が、びっしり、たかってる。いや、蟻じゃなくて、ゴ・キ・ブ・リ。真っ黒い、でっかいの、数十匹。肌、粟立つ。キ、キンチョール!って、叫んだところで、目覚め。時計、8時。遅刻しちゃう。慌てて、洗顔、髭はそのまま、昨日と同じ、スーツはおって、靴のかかと、踏んだまま、ドアを開ける。中空。床無し。悲鳴、あげる間もなく、落下。死ぬ。いや、死なない。たかが3階の高さ。腰から落ちて、布団の上。おかげで、一気に、目が、覚めた。そもそも、今日、休日。慌てる必要、なし。目覚める必要、なし。夢、の、中、で、一、日、を、過ごす。無死。いや、違った、今日、まだ、平日。遅刻決定。
- 05年07月10日(日)

電車内、彼はしきりと何かを喋っていて、気になるのは、その彼の目玉が時折、抜け落ちそうになること。凝視しすぎぬように、見つめるのだが、とろり、と落ちてしまいそうな瞬間に肝を冷やす。
- 05年02月20日(日)
- 記憶疾走症という病にかかる。未来における瞬間的な記憶が降りてくる奇病。例えば、1週間前、「昨日のカレーは美味かった」という記憶が突然発生した。実際は、ピーマンの肉詰めと納豆だった。一度、疾走した未来の記憶は、現実のその時が訪れるまで消えることはない。毎日訪れる「昨日のカレーは美味かった」という記憶。ならばと思い、実際に昼食をカレーにしたこともあったが効果はなかった。その時がくるのを待つしかない。毎日繰り返される未来の記憶。食い違う現在との記憶。記憶のズレは精神が疲弊する。だから最近だるいのか。そして、昨日のことだ、昼食時に友人から「最近、近所に美味しいカレー屋を見つけたから行こう」と誘われる。本当に美味かった。そして、今日、空腹時に思う。「昨日のカレーは美味かった」ようやく未来が記憶においついた。
- 05年02月19日(土)

その娘は、やたらと印象的な眼をしていて、当然のことながら彼女には鼻も口もあるのだが、あまりに印象的な眼をしているものだから、彼女の顔にはその輪郭以外には眼しかないような錯覚におちいってしまう。つまり、彼女が話しているときは、彼女の眼が言葉を発しているように見え、彼女が食事をとっているときには、彼女の眼が咀嚼を行っているように見えるのだ。
- 04年08月16日(月)
- 嵐の晩。(実際は夜であったかはわからない。外はいつも薄明るくぼんやりしているが、空の色はいつだって不鮮明だ。)車の中。運転席には母。私は後部座席に座っていた。車は海岸沿いの道路を、かなりのスピードで走っていた。母の表情は分からなかったけど、運転する後ろ姿は真剣で無言だった。私も無言で窓の外を眺めていた。海は荒れていて、波は酷く高い。呑まれそうだ。ガードレールの切れ間があった。砂浜へと続いていた。車は道路から外れ、そこから砂浜に飛び出した。道路を走るよりもこっちのほうが早い、という母の決断なのだろう。母は無言だし、私は余り気にしない。砂浜には、もちろんヒトはいなかったけど、ジャングルジムやブランコといった遊具が乱立していた。車はそれを避けようと蛇行する。時に波打ち際ギリギリを走る。海は白濁していて、波は高くて、呑まれそう。やがて、砂浜の終端にたどり着く。車は再び車道に戻る。道路は海岸の断崖を上っていく。走行車は他にもあったが、母の車はそれを追い抜いて行く。加速するスピード。対向車線などかまいやしない。私は、相変わらず窓の外を眺めていた。車に酔いやすい私は、幼少の頃、乗車すると必ず吐いていて、今は空腹でなければ酔わなくなったものの、乗車時に窓の外の遠くを見つめる習慣は抜けきらず、特に海岸線を走るときの、果てのない、境界のない、あの風景に視線は釘付けになってしまうのであった。視線を進行方向に戻す。先を行く走行車を追い抜こうと、車は反対車線に飛び出した。そこには自転車の中学生がいた。当然のように、はねられる中学生。運転する母を避難することは、一概には出来ない。その中学生は、通行量の多い車道の真ん中に自転車を止め、鍵を掛けようとしていたのだから。総じて中学生とは頭が悪いものだ。路傍に倒れる中学生と、そこに駆け寄る通行人をみつめながら私は思った。母は振り返らない。減速することのないスピード。私も気にしない。車の前を自転車が走っていた。もの凄い勢い。懸命な操縦者。見覚えのある後ろ姿。自転車の操縦者は、私の母であった。車の運転席はいつの間にか空席。この先はカーブ。母は、それまで自分が運転していた車の行く末を気にすることなく、スピードを落とすことなくカーブを曲がっていった。運転者を失った車は、直進しガードレールをぶち抜いた。車は走っていた姿勢そのままで垂直に落下する。私の乗った車は落ちてく。落ちていく車は、断崖に植生する樹木をなぎ倒す。枝の折れる乾いた音が響き、視界は真っ暗になった。
- 04年08月12日(木)
-
抜け出せぬ退屈からくる憂鬱に辟易するヒトに対してかけるべき最適な言葉。(例えば、変わらぬ日常に「このまま年老いるのかと思うとウンザリ!!」と嘆くヒトに)
「そう悲嘆にくれることでもあるまい。繰返しはギャグの基本っていうじゃないか。永遠にリピートされるくだらなさにもきっと笑いが潜んでいるはず。そもそも終わらない現象なんてないでしょ。それなのに出口がないと感じる状況ってのはシュール極まりないと思けどな。きっと笑えるはずだよ。」
予期せぬ不幸あるいは悲劇に悲しむヒトに対してかけるべき最適な言葉。(例えば、突然の事故に「もう人生終わりだよ!!」と憤るヒトに)
「そう悲観することでもあるまい。笑いの基本は意外性っていうじゃないか。突然の歓迎できない出来事だからこそ笑いが隠れているはず。予期していないからこそ、コペルニクス的大回転も起こりえるんであって、それってとってもシュールじゃん。きっと笑えるはずだよ。」
- 04年08月09日(月)
- 帰宅後にベランダでハッパを吸っていると、いたたまれない気持ちになる。肉体的な疲労感と精神的な虚脱感。思考はからっぽなのに、胸が締め付けられる。思わず、「俺は虚無感でいっぱいなんだ。 」と呟いてみる。呟いてみたものの、「虚無」で「いっぱい」とは一体どういうことなのだろうと己の思考に疑問が生じる。禅問答はもう沢山。3年間たゆむことなく続く寄る辺なさ。隣に腰掛けた女性が、そっとささやいてくる。訪れる安堵感。慰めてくれる女性は一体どれほどの美形なのか。期待をよせて振り向くと、彼女の聞き取れなかったささやきが鮮明になる。「満員の通勤列車とかけまして、壊れかけの電子レンジとときます。その心は…」。彼女は、ちいさな茶羽ゴキブリだった。ここまで話したところで、聞き手は「俺もその夢見たことある。」とハシャいだ。夢じゃねえって。そもそも他人と夢を共有できてたまるものか。「その夢は、痴話喧嘩をしたいというあなたの願望を…」だから、夢じゃねえって。俺は、思わずゴキブリを素手で叩きつぶし、その感触に悲鳴をあげた。
- 04年08月06日(金)
- 窓の無い部屋に住む男。最近、部屋の電球が切れてしまったのだという。それは、生活に支障はないのかい?光の無い部屋。男は答える。窓が無いといっても、完璧に見える壁にも、どこかしらに隙間があるもので、そこからかすかばかりの光が入ってくるので不自由はないよ、という。それに、と男は言葉を続ける。遠い祖先に山犬がいるのだという。だから、夜目が利くのだそうだ。わずかな光でも大丈夫らしい。言われてみれば、男は犬に似ている。別の男が言った。その男の祖先には、鳥がいるのだという。種類は不明。少なくとも夜行性ではなかったみたい。男は鳥目なのだという。だから、窓の無い部屋に住むことはできないと悔しげにいう。そういえば、男はロフトに住んでいる。鳥に似ていないことも無い。ふたりは言った。さしずめ君の祖先には馬がいるのかい?俺は答えた。確かに俺は面長なので馬の特徴を持っているかもしれん。でも、運動はすべからく苦手なので、仮に先祖が馬だとしたらよっぽどの駄馬であったのかもしれん。ふたりは笑いながら言った。冗談だよ。気にするな。果たしてどこからが冗談であったのか。ただ、犬に似た男が窓の無い部屋に住んでいることは事実である。
- 04年08月02日(月)
- わがままな先輩と別れた呑みの帰り道。「過去と決別したっ!!」と宣言するヒトひとり。(俺は、こういうのとよく出くわす。)必死の形相。果たしてホントにそうなのか。羨ましくも疑問の視線を投げかけていると、目があった。泣きそうな顔になる宣言者。それはいけない。自信に満ちた者は、それを疑ってはいけない。無言で忠告すると、宣言者はこぼれそうになる泪を必死に食い止めようと空を見上げた。つられて空を見上げると月が出ていた。そういえば、昨日は満月。昨日呑んだ人が教えてくれたっけ。俺は一体何様のつもりだろう。つい今しがたの自分の忠告を思い出し、己がちょっと滑稽に思えた。地面に視線を戻すとマンホールの蓋が開いていた。落ちないように避けて通ると、穴の底から声が響いてくる。「何様のつもりだよっ!!」まったくその通りだよ。愉快になったのでもう一軒呑んで帰ることにする。
- 04年07月30日(金)

地下への階段を発見。不動産屋は何も言っていなかったっけ。部屋がふたつ。先の住人の家具がそのまま。ほこりをかぶっている。炊飯器のなかみはそのまま。明かりがひとつもないので薄暗い。散乱した食器。少し気味悪い。洗濯機が置いてある。つまり、俺は洗濯機を新たに購入する必要はなかったわけだ。ああ、でも家具の移動がめんどいな。部屋はまだ片付かない。気づいたら、骸骨の標本が三体に増えている。
- 04年07月19日(月)
- 逆方向の電車に乗り込む。気づいたら三鷹。逆に進むのは先月から5回目か。いささか多い。欠落した方向感覚。思考力で補おうとしていたが、それも心もとないことに最近気づいた。そもそも進むべき方向を考えながら歩いたことが、果たして今まであったか。
- 04年02月12日(木)
- 自販機の裏で500円玉を拾う夢を見る。夜、こめかみがはちきれそうになる。
- 04年02月07日(土)
- 私が生活を営む西船橋のマンションの1階は管理人室になっていて、エレベータの入り口は管理人室のガラス張りの窓から監視されている。逆に、彼が起床しているときは、その窓からもれる明かりで察することができる。そして、ここ数日、そこからもれる明かりが途絶えないのだ。以前は、終列車で帰宅したときには、そこはカーテンが閉められ消灯されていたのだが、ここ数日(もう一週間)の間、カーテンは開け放たれたまま、明かりは点いたまま、あまつさえ、窓際には管理人の老眼鏡が置かれたままなのだ。その老眼鏡は、いかにも一寸の間だけそこに置いたという角度なのだが、その角度のまま数日が過ぎているのだ。こうなってくると、厭な想像を抑えることができない。蝿がたかっている。
- 04年02月03日(火)
- 曽祖父の日記を見つける。退屈しのぎに読みふける。読み終えて気付く。これは、俺自身の日記ではないか。俺は、過去において、己の曽祖父として生き、そして、俺の孫が、俺を生んだ。つまり、ここに日々刻まれている私の日常は、曽祖父の記憶であって、私の毎日は、終えた過去を追う行為であって、曽祖父が過去においてその一日を記した瞬間に、私の一日が決定されるということにはなるまいか。私は、そして、予定された一日を終え、既に記された記録を再びここに刻んでいるといえまいか。私の曽祖父は、もう何十年か前に、おそらく亡くなっているのだが、こうして、彼の過去が私の日常において再生されているということは、彼は彼の曾孫に転生して暮らしていることになる。しかし、彼が生きる人生は全く彼が一度経験した人生そのままなのだ。そして、一度繰り返された彼の人生は、きっと、彼の曾孫の来世においても繰り返されるに違いない。
・・以上の文章が曽祖父の日記の最後であった。訳が分からないので、もう寝よう。
- 04年01月30日(金)
- 不意に恐怖に襲われることがある。感情と関係の無い出来事によって突然切り替わるスイッチ。例えば、今朝のことだが、背広にコートを着込んで、暖房のスイッチを落とす。遅刻間際の時間帯。靴を履く前にウォークマンのスイッチを入れる。大音量で、耳に流れ込むライブ音源。刹那、部屋中に溢れる粒子が俺の体に吸い付いてくる予感。肌が粟立ち、髪の毛が太る。早く、この部屋から逃げ出さなければ押しつぶされてしまう。慌てて靴を履き、ドアを開ける。そして、閉める。鍵をかける。ドアの向こうでは、部屋中の粒子が、俺の残像に向かって襲い掛かかった。クシャリ、と部屋の圧縮される音。俺は、ドア越しの幽かなその音を背後に受けながら、遅刻を逃れるために駆け出した。恐怖から逃れることはできない。
- 04年01月27日(火)
- スイッチが差し出された。それは、この世のスイッチ。押すと、世界がOFFになる。つまり、消滅。よく考えてから使用するようにと、得意げな声が響く。続く陶酔した声。どうでもいい注意事項。そして、その威厳と誇りに満ちた声は、スイッチを俺に手渡す直前に、最重要項目を告げようとしていた。だから、俺は、その声が発せられる前に、スイッチを掠め取りOFFにした。急激に薄くなっていく世界に、彼の「あぁ」という情けない声が染み入った。
- 04年01月25日(日)
- 左足の付け根に鈍い痛み。歩くこともままならぬ。何処にも行けず、寝てすごす。
- 04年01月24日(土)
- 剃り忘れたアゴ髭2本。垂れた長さは腰まで届く。何故、今まで誰も指摘してくれなかったのだろう。気付かない俺も俺だ。
- 04年01月23日(金)
- 「くそっ!こんないやな世の中滅びてしまえ!」と、泣き叫んでいる人がいたので、「そうだ、そうだ」と同意の態度を示すと、心底迷惑そうな顔をされた。
- 04年01月20日(火)
- 地震、もしくは火事のとき、何を持って逃げ出すか。答えは簡単。眼鏡が無くてはやっていけない。だから、真っ先に眼鏡を抱えて逃げ出そう。今朝、目覚めると、その眼鏡がふたつに割れていた。もう何処にもいけなくなってしまった。
- 04年01月19日(月)
- 大手町の交差点(そこは、箱根駅伝の終着点のそば)にて、信号を待っていると、隣にいた女性が呟いた。「中で誰かがささやいているかの如くに、鼻の内が痒い。」それは、独り言だったのだろうが、俺の耳に届いてしまった。そして、俺の見つめるまえで、彼女は左人差し指を右の鼻の中へと突っ込んだ。人目をはばかることなく。俺は、彼女の気持ちが良く分かるような気がした。彼女は絶叫した。周囲の人が驚き振り向いた。タクシーがとまった。彼女の左人差し指は、彼女の右の穴の中。通行人は酷く驚いた様子(でも、大半の人はそんな彼女を直視しないフリをしていた。中には、そのまま気にしていないフリを続け、青になったばかりの横断歩道を渡ろうとして原付に轢かれてしまうデブもいた。)周囲の人は、彼女のことをイカレテイルとしか見ない。でも、俺は本当のことを知っている。彼女の整った鼻の内部には、確かに何者かが潜んでいたのだ。何者かが囁いていたのだ。顔の中に他者が潜む不安に耐え切れなくなった彼女は、だから、この視線のなかで、この丸の内の高層ビルに囲まれた、ゲロと硫黄の立ち込める千代田区大手町1丁目の交差点で、己の右顔面の鼻の穴に、己の左人差し指を突っ込んだのだ。そして、彼女のその勇敢な決断にもかかわらず、彼女の左人差し指は、内部の侵入者を脅かすことはできず、逆襲されてしまう。内部の何者かは彼女の左人差し指に噛み付いたのだ。そして、彼女は、そうすることが周囲の視線を集めることが分っていながら、イカレテイルと思われてしまうことが分っていながら、絶叫せずにはいられなかった。俺には彼女の気持ちが良く理解できた。
- 04年01月17日(土)
- 崖を転がり落ちながら、「嗚呼死んでしまう」と呟く。埋もれることで、落下を停止。体を奮い起こし一歩踏み出し、再び転落。「もう死んでしまう。」しかし、それでも斜面に激突しながら停止。起き上がり、また、落下。死んでしまう。
- 04年01月13日(火)
- 昼食を、某前首相の娘とご一緒する。ナイフとフォークが上手く使えずしょげる。その後、某省庁への侵入を試みに霞ヶ関へと出向く。丸の内の駅から地上に出ると、そこはテロルの嵐。空一面を飛行機が舞っていた。ホンダとマツダの区別のつかない俺は、飛行機の機種についても全くの無知なのだが、それらが軍事用であることは、凝視するまでも無く、それらの発する音で理解できた。通りに並ぶ省庁の建物にぶつかっていく無数の飛行機。ガラスの破片とコンクリートの欠片が宙を舞い落ちてくる。俺は、その光景を、心になんの起伏も感じぬままに見つめていた。目の前の歩道に一人の女が立ち尽くしている。彼女は、硬直している。このままでは、落ちてくる、火と、鉄と、ガラスと、コンクリートと、パイロットの肉と血と骨と髪が、彼女を傷つけてしまう。俺は、彼女を抱えて走り始めた。彼女は硬い。直立不動の姿勢のまま、空を見上げたまま、彼女は固まっている。まばたきすらしない。落下してくる様々な欠片を避けようと、俺は努力するのだが、落下してくる欠片はことごとく、彼女の顔面を直撃した。俺は、落下する欠片を避けるのに必死なのだが、俺の体は故意に、落下する欠片の真下に彼女の顔面を持っていっているように思えてならなかった。彼女は、無表情のまま、硬直した姿勢のまま、落ちてくる危険物を顔面で受け止めつづけた。そうして、俺は彼女を抱えたまま安全な場所を探して駆けているのだが、その方向は、どうみても爆心地を目指しているとしか思えなかった。
- 04年01月某日
- Q.私は、正月はさして好きではないのですが、神社やお寺に行くのが好きで、おみくじなんか引いちゃうんですけど、昨年のおみくじは印象的で、特に「待ち人」の欄は「来ないのでこちらから訪ねなさい」とありました。でも、待っているヒトなんていないので、まだ見ぬ待ち人、訪ねるべき相手をドキドキしながら想像していたのですが、結局、行方知らずで、年が明けてしまいました。それで、今年のおみくじなんですけど「待ち人」の欄には「来ないが、連絡はある」とありました。でも、待っているヒトなんていないので、まだ見ぬ待ち人、来るべき連絡をドキドキしながら待っているのですが、物騒な昨今、見知らぬ着信に応えてもよいものでしょうか?教えてください。よろしくお願い致します。
A.一応、話してみて、ヤバかったら逃げましょう。余り、期待しすぎないのが吉です。ワン切りには気をつけて。
- 04年01月05日(月)
- 帰宅し、ビールを飲みながらチョコレートを味わおうと、ロッテ・クランキーの箱を開けようとしたところ、既にフタの糊づけがはがれていることに気付く。すでに、ビールを一口飲んでいたので、そのまま取り出し、銀の包装紙をはがし、かじりついて、そして、ビールを一口。「異物が混入されていたらどうするつもりだっ!!」背後から、見知らぬ男に怒鳴りつけられる。どうするもこうするも、見知らぬ男が部屋に侵入しているこの状況をどうにかしたい…
- 04年01月01日(木)
- 夜中に、あくびを続けていたら、気づいたら年が明けていた。妻が、初詣に行かない?とささやいたのでソレに気付いた。正月などどうでもいいのだ。おそらく妻も、それは同じなのだろうが、暇を持て余しているようであった。3人で、近所の神社(言代主神社)に向かう。娘は、この時刻になってもちっとも眠たくないようで、よくわからない鼻歌でリズムをとりながらついてくる。おそらく、初詣の意味など、全く理解していないのだろうが豪く楽しそうではある。娘は、頭が少しユルい。巫女さんが綺麗だったので、先ず、おみくじを引くことにする。53番の札を、猫系の顔つきの綺麗な巫女さんから手渡しでもらう。「中吉」。賽銭は適当に済ませる。寒いのにサンダルで来てしまった。早く帰りたい。賽銭も投げずに、鐘を鳴らす綱にぶら下がっていた無表情の娘を抱えて家へと戻る。途中、妻が「何を祈ったの?」と訊いてくる。「君は?」と訊き返すと、妻は少し照れた表情で「やっぱり子供がもう一人欲しいなって祈ったの。」と言う。その願いが、年齢的にも経済的にも難しい(今年、小学校に入学する娘のランドセルは俺のお古だ。娘からの文句はない。全く分っていないようだ。)ことは妻も充分理解しているのであろう。その表情は少し淋しそうだ。俺の言葉を待たずに、再び聞き返してきた。「何を祈ったの?」答えようが無かった。俺は、参拝のフリだけで、何も祈っていなかった。欲しいものは何も無かったし、どうでも良かった。娘が変わったクシャミをした。
- 03年12月31日(水)
- 赤子を抱いて飛行機に乗り込む。約1時間のフライト。赤子はヨダレを垂らして熟睡。隣の席には、3歳の女の子。かまって欲しそうに見つめてくるがそれどころではなかった。着陸寸前に目覚めた腕の中の彼女は、ついにグズりだした。あふれそうな涙。もう駄目だ。と思った瞬間に衝撃。飛行機は無事着陸。びっくりした顔の彼女。ピタリと泣き止む。胸を撫でおろす。翌日は両腕が筋肉痛。
- 03年12月30日(火)
- 眠くて眠くて仕方が無かったが、なんとか昼には目覚め、外出。目的の用件はすぐに済んだのだが、毎日寝てばかりで腰が痛いので少し遠出することにする。御茶ノ水で降りる。特別気に入った場所でもないのだが、乗り換えなしで40分程で着けるのと、本屋やレコード屋が多いのでよく立ち寄る。文房具屋に寄るが、目的の品は無い。レコード屋、本屋をはしごするが結局何も買わず。改めて、欲しいものが何も無いことに気づく。腹が減ったので帰ることにする。乗り込んだ列車が、反対車線の車両とすれ違う。向こう側の車両に知り合いの女の子を発見。向こうでもこちらに気づいたらしく、俺を指差し、「あ、○○君だ」とつぶやいた。俺は、突然の出来事に、人見知りな己の性分を十二分に発揮。酷く慌て、自分の背後を振り返り、彼女の指差す先を見つめ「あ、本当だ」とつぶやいた。彼女はなんともいえない顔で俺を見つめ返した。俺も、自分の発言の意味が良くわからない。何か弁解しなければと焦るうちに列車はすれ違い、彼女の姿はたちまち確認できなくなってしまった。
- 03年12月29日(月)
- することがないので、毎日、寝て過ごしている。眠りと眠りの合間に食事をとる。酒を呑む。皮膚と服の間に忍び込んでくるものあり。払いのけても払いのけても侵入してくる。「連れてって」としつこくねだるので連れて行くことにする。何年ぶりに訪れることになるのか。不鮮明な記憶。そう昔のことではないのだが生まれる前のことのように感じられもする。磯の匂いがする。戸を開けると古い木の匂いがする。玄関の電球が発する光はぼやけている。仏壇には線香が立てられている。祖母が寝ている。もう夜。冷たい廊下を歩いていく。すりガラスの向こうから、かすれた明かりが漏れている。居間では、相変わらず、祖父が酒を呑んでいる。赤い火鉢に手をかざし温まる。喉が渇いたので、冷蔵庫の中を覗きに行く。台所の前で床が沈み、よろける。床が腐っているよう。魚の匂いの密封された冷蔵庫からビールを取り出す。祖父が風呂を沸かしに薪を割りに行く。久々にテレビを見ながらビールを味わう。風呂が沸いたので、汲み取り式の便所で用を済ませ、入浴。酷く熱いので、湯船に水を大量にそそぐ。体を洗い、丁度良くなった湯船につかっていると、港の全船の汽笛が一斉になる。ああ、今年も終わったのだなと思う。風呂から上がると、居間の電気は消えている。家中真っ暗で、空気が冷え切っている。眠るために二階に上がる。暗いので階段の壁に手をそえると砂壁がパラパラと崩れる。家の中にまで波の音が響いてくる。酷く寒いが、よく眠れそうだと思うと自然と口元が緩む。部屋の戸を開けると、長い間沈滞していた空気特有の匂いがする。布団を敷いていると、祖母が部屋に入ってきて「弁天さんにお参りにいかへんか?」という。頷いて、再び部屋を出る。空は暗いが、外は明るい。堤防沿いの小道を祖母と並んで歩く。弁天さんには行ったことが無いので、祖母の示すままに歩く。堤防の切れ目から、砂浜に降りる。人影はなかったが、犬が1匹。何かを喰っている。今になって漂着した、今年(もう、去年というべきか)のお盆に供えられた和菓子を喰っているよう。風が強い。弁天さんは何処にあるのかと祖母に訊ねると、海岸沿いに続く松並木の先を指差し、「あしこに鳥居が見えるやろ」と言う。何も見えないが、海岸沿いを祖母の手を引いて歩く。しばらくすると、祖母が鼻をすすり、「寒いけん、今日は帰ろうか。明日にするか。」と言うので引き返す。
- 03年12月25日(木)
- 某省庁に忍び込む。仕事で訪れたのだから、忍び込むという表現はおかしいかもしれんが気分的には潜り込んだのだ。一般人は入り込めない霞ヶ関のその建物は、入館するのに許可証が必要なのだが、薄っぺらい手書きの許可証は簡単に偽造可能な代物。シンメトリックな平面の内部空間は、結成前のゴーストバスターズが訪れた図書館のよう。仕事の前に地下の喫茶店で一休み。何時建てられたのか知らんが、配管剥き出しの天井。国の中枢機関のひとつは思った通りの古びた建物で俺はドキドキした。
- 03年12月23日(火)
- 酷い風邪。寝返りをうつのさえ面倒。しかし、喰わねば治らん。死ぬ。死んでも良いが、空腹は耐えられん。着替え、ぼさぼさの髪のまま外に出る。めまいがする。体が痛い。腹が減った。家の近所のセブンイレブン。店員はサンタの格好をしていた。しまった。今日は24日だったのか。会社を無断欠勤してしまった。焦る。しかし、携帯の日付を確かめてみると23日とある。一日早くクリスマスの飾り付けをしただけのことらしい。紛らわしい。再度確認するが、確かに23日。休日だ。俺は、よく休みの日に体調をくずす。店員は男ばかりで、サンタの格好をされても、ちっとも嬉しくない。購買意欲をそそられない。なえるよ。それでも、若い男女の集団が酒を買っている。どうせ、明日も騒ぐのだろうに、忙しいことだ。弁当とビールを買う。体がだるい。家に戻ると玄関に人影。思わぬ来訪者。最近知り合った学生。明らかに体調の悪そうな俺をみて、恐縮しているが、追い返すのも気がひけるので半ば強引に部屋の中に案内する。相談事があるらしかった。就職のことらしい。コネで入社した俺の体験なぞ何の役にも立たんよ。あらかじめ断ったものの、「知り合いで就職している人いないんです。」と彼が言う。仕方が無いので話を聞くだけ聞いてみる。お菓子製造会社に就職したいのだと言う。それなら話が早い。目的が決まっているのなら、さっさと行動すべきじゃないか。良くは知らないが、まだ就職活動するのに遅い時期ではないだろうに。ビールを勧めながら俺は呆れて言った。ビールを断りながら彼は言った。「就職の仕方が判らないのです。」それならと、焼酎(しろ)を勧めながら俺は返した。よく知らないけど、リクナビに登録すればいいんじゃねぇの。現役なんだし。それでも、彼は焼酎を断りながら難しそうな顔をする。詳しく聞いてみると変な話だった。彼には、子供のころから大好きな菓子があった。1個20円のチョコレート。駄菓子だ。今でも、たまに強烈に欲しくなるのだそうだ。その菓子の製造会社に勤めたいというぐらいなのだからよっぽどのことだ。就職活動をするに当たって、会社について調べてみたのだそうだ。しかし、何処にも情報がなかった。彼は、ちっちゃな頃から好んできたその菓子を、誰もが知っているメジャーなものだと思っていたのでショックだった。グリコ、森永までは、いかなくてもリスカぐらいの知名度はあって当然だと信じていたらしい。実際には、会社どころか、その菓子そのものですら、ほとんどの店で扱っていなかった。というより、彼が昔から通う馴染みの駄菓子屋でしか扱っていなかった。彼は不安になった。それでも、その製造会社に就職したいという希望は冷めず、情報を求めて、唯一の取扱店である馴染みの駄菓子屋に駆け込んだ。しかし、時既に遅く駄菓子屋の主人(おばあちゃん)は彼が訪れる数日前に亡くなっていて、継ぐ者のいない店は、そのまま閉じられてしまっていた。それで、彼は今後の活動をどうしたら良いものか悩んでいるのだという。俺には何と答えていいのかわからなかった。つっこむところはいっぱいあったが、とりあえず、その会社名を聞いてみた。彼はポケットからクシャクシャになった駄菓子の包装紙を差し出した。包装紙の製造会社名の欄には「テロル」とあった。俺は風邪薬をウィスキーで流し込んだ。
- 03年12月19日(金)
- 死んでしまった。その瞬間の記憶は無い。気づいたら無くなっていた。やけにあっけない。味気ない。原因は不明。前後の記憶が無い。知るすべも無い。既に死んでしまっているのだ。どうでもいいことだ。苦しみは無かったのだろう。わかんないけど。たぶん。今も痛みは無い。当然か。苦しまなかったと信じたい。どうでもいいことだが。もたげる疑問。無い鼓動が少し跳ね上がる。ならば、俺は一体何なのだ。何故意識がある?一日ぐらい考えた。時計が無いから正確にはわからない。感覚も以前と随分違う。おそらく一日だったろう。あたりは真っ暗だった。てっきり、そういうものなのだと思っていたが、単に光の届かない場所にいただけだった。少し動いただけで、冷たい外の空気に触れた。外は潮の匂いがした。そこは、小さな漁村の墓場。俺が意識を取り戻したのは、骨壷の中だった。徳島県由岐町。そうか。俺は結局この墓に入ったのか。しかし、俺は、まだ地上にいるのだな。やりきれなくなった。「生まれ変わったら何になりたいですか?」記憶の中で誰かが尋ねた。生まれ変わりたくない。記憶の中で俺の残像が答えた。願いが叶ったのだろうか。俺はこのまま、ここに居つづけるのだろうか?生まれ変わりたくも無かったが、終わった後にまで意識を保ちたくは無かったんだけど。墓場は、小さな町を見下ろす山の斜面にあった。俺は墓石の前に腰かけ町を見下ろした…。
墓石の前に人影。墓参りに訪れた誰か。退屈な俺は、参拝者の顔を覗き込み、目が点に。それは、生前の己自身。気分を害され、なんでお前がここに、と不快感を抑えることができない。生前の確かな肉体の俺は、動じることなく墓石を見つめている(俺は、もはや墓石とイコールの関係)。お前のような絶対的な時間の流れを無視するような奴がいるから21世紀になってもドラえもんは訪れないし、アトムも生まれない、ましてやHALなんて。「それは、違う」と重力を帯びた確かな肉体をもつ声が思考をさえぎる。「俺はドラえもんの影響を受けてはいないし、(子供のころ観にいく映画は決まって、ノビ太のシリーズではなく、キン肉マンの東映漫画祭りだったことを思い返してみれば良い)、手塚治虫も読んではいたが手に入れてもすぐに売っていたし、時計仕掛けのオレンジは好きでも、あの映画に関しては眠り通しだった。そんな俺が訪れない21世紀を嘆いても、誰も同意を示してはくれないし、そもそも、それとこれとは話が違う。」反論できなかった。イラついた感情を抑えたまま沈黙する墓石に対して俺はとどめをさした。「それに、俺は時間軸を無視してはいない。俺はまだ死んでいない。この絶対的だか相対的だかよくわからない時間軸のひとつの座標において、確かに俺は生きている。遡行しているのは墓石(=死んでしまった俺)じゃないか。」俺は、そして、気づかされた。己が死を迎え、その前後の記憶を失い、火葬され、骨を砕かれ、骨壷に押し込められ、墓石に収められて、再び意識を取り戻した瞬間から時間を逆行していたことを…。
逆行している俺は、墓の中で暮らしている。墓石と俺は、もはやイコールの関係。そして、あれから幾夜が過ぎたんやろか。時間の感覚がつかめないまま、ある日、骨壷に収められた祖母が、墓から出て行った。迎えの列には生前の俺がいた。逆行する時間のなかで、生き返る祖母。呆けた祖母が死んだのは、確か、2000年の12月30日。20世紀最後の日が、お葬式。なかなかに劇的な新世紀の訪れだったと思う。とにかく、だから、今は20世紀を迎えたのだろう。日が過ぎるのがやけに早い気がするが、既に経験してしいる事象を巻き戻しているのだから、そう感じてしまうのは当然なのかもしれん。墓石の中(=俺の体内)は無音だ。墓石の中(=俺の体内)に、収められている残り2つの骨壷。ひとつは、祖父。もうひとつは知らない。おそらく血のつながっていない俺の祖先。二人とも全くしゃべらない。もっとも、逆行する時間の中で生き返った死前の祖母も全くの無口であった。死んだ後も意識を保っているのは俺ぐらい。それは、やはり異常なのだろう。逆行する時間の中で、俺の体(火葬された骨)は、血と肉を取り戻し、生前の意識を回復し、今は順調に若返っていく。残された、死んでしまった俺の意識だけが、逆行する時間の中で、逆に経過する時の流れを感じている。逆行する時間の中にいる俺にとっては、過去が未来であり、未来が過去なのだ。それは、やはり明らかに異常なのだ。俺には、しかし、どうするすべも無い。逆向きに過ぎていく過去を見つめるのみ。どうでもいい。墓石(=俺)の前に人影。生き返り、やや若返った祖母が俺の前に立っていた。墓参りに訪れた彼女(すっかりボケてしまった、余命2年と宣告された老女)は、必死になって俺(=墓石)に向かって(正確には墓石の内部(=俺の体内)に収められた祖父(骨壷)にむかって)祈るのだ。「祖父さん!!長生きできるよう見守っといてよ。ボケんよう見守っといてよ。」墓石の中(=俺の体内)の祖父は何も答えない。
- 03年12月18日(木)
- 車両の半分を埋め尽くす一人のデブ。来年の干支そっくりなしぐさで、吊革にもたれかかる野性味あふれる顔の女子高生。若ハゲの、サイケな服装の、ギターを抱えた貧相な黒ぶち眼鏡。「うんこ」と「ちんこ」を連呼する女の子ふたり。いろんな人がいるよね。
- 03年12月17日(水)
- シド・バレットが好きなのだが、彼が残した約2枚半のアルバムを、レコードで所有しているものだが、最近プレイヤーはすこぶる調子が悪いのだから、聴きたくても聴けないので、昔、友人がくれたカセットテープに収録されたシドの曲を楽しみにして、ラジカセにセットしたら友人のくれたそのテープにはAV女優(レズビアン)の喘ぎ声と唾液の音と女陰の英語名の連呼が延々15分ほどサンプリングされていて、喘ぎ声が止んだかと思えば、「だよねー」を連呼する懐かしい曲が流れてきて、おまけに曲に合わせて友人が歌っている(熱唱)ので、すっかりなにがなえてしまった。
- 03年12月14日(日)
- 机の上に幼い裸の妊婦を座らせて、俺はその腹を撫でた。無心に。性的な高まりは無い。その証拠に目覚めた体は勃起していなかった。チャイムが鳴った。布団から抜け出す前に、ドアの外からの名乗り。「宅急便です。」枕もとの眼鏡を探すのを止め(用件は分っている。視界は必要ない。)、鍵を開け、指し示される個所にサイン。荷物を確かめずに床に置き捨て、再び、裸の妊婦の感触を味わうために布団の中に忍び込む。まぶたの向こう側の幼い妊婦。顔は判らない。眼前には小さく膨らんだ下腹部だけ。ぬくもりは感じるが鼓動は伝わってこない。俺はその腹を撫でている。無心に。チャイムが鳴った。訪問者の多い日曜日の午後。まぶたを上げる前に、家の外からの名乗り。「宅急便です。」眼鏡をかけずに鍵をあける。「すいません。間違えてお隣の荷物を届けてしまいました。」床に置いたままの荷物を確かめる。本当だ。403号室宛てになっている。お互い苦笑い。ドアを閉めたあと、いいかげん目覚めるべきだと、妊婦の感触をあきらめ、冷蔵庫を開け、牛乳を味わう。興奮した声が聞こえてきた。「隣の家に、届けたですって!どうしてそういうことをするんですか?!だって、貴方、名前が全然違うじゃないですか?」隣の人が怒っている。丸聞こえだ。恐縮する配達人。「これは、問題ですよ。だって、返してくれなかったらどうするつもりだったんですか?ちゃんと上の方に謝りに来てもらわなくては困りますわ。貴方、ちゃんと上の方に伝えておいてくださいよ。」あの、リンゴはよっぽど大切な届け物だったらしい。酷くご立腹だ。「隣の方もおかしいですよ。サインまでしてしまって。ちょっと、貴方、事情を聞きに行ってくださいよ。おかしいですよ。説明してもらわなくては困りますわっ!!」そして、再びチャイムが鳴った。「宅急便です…。
- 03年12月11日(木)
- その娘は頭痛ちゃんと名乗った。俺は、余り考えないことにした。慢性的な睡眠不足なのだから。頭痛ちゃんの提案。年の暮れ。振り返ってみてはいかが?俺は、反抗しないことにした。眠ることさえめんどっちい。今年の運勢は「半吉」だと、宣告された今年のはじめ。あれから、直に1年。今年の運勢は「半吉」。半分かと問われれば、そうかもしれん。頭痛ちゃんが頷いた。彼女に、その名前は冗談なのか訊ねようとしたら、先に目で怒られた。
- 03年12月09日(火)
- 何時ものことだが、約束の時間に遅れそうなので、残り5段のエスカレーターを飛び降りたのだが、すでに残りは4段となっていたので、1段分の高さの衝撃が右足に直撃し、衝撃を和らげるべきはずの膝のクッションは正常に作動してくれず、つまり、棒状の右足は、1段分の衝撃をそのままの大きさで、余すところ無く内臓に送り込んでしまったのだから、俺は予期せぬ苦痛に顔をしかめ、しかし、背後の赤の他人の視線を気にして、恥をかかぬように何気ない風を装おうとしたのだが、1段分の衝撃は思いのほか激しく内臓を痛めつけていたらしく、たまらず四つん這いになり、激しく吐血。そのバシャバシャという血の床に飛び散る音は、夏の小学校の、閉め忘れた蛇口の足洗い場を思い起こさせた。案の定、約束の時間に遅れて有楽町の呑み屋にたどり着いたのだが、案の定、約束の人数はそろっておらず、先にビールを注文し、喉にたまった血を洗い流した。それは、大学時代に親しかった先輩の友達との飲み会で、その親しかった先輩は今は長崎にいて、この場にはいないのだが、俺は、その先輩の後輩という理由で学生時代には、ほとんど面識の無かった(俺が入学したときには彼らの多くは卒業していたのだから当然なのだが)彼らの飲み会に誘われるようになっていて、今日は彼らとの東京では、おそらく5回目の呑み会なのであった。彼らの一人から「大きくなった?」ときかれ、一人からは「太ったかな?」といわれたので、俺は、俺の内臓を痛めつけたあの衝撃は、エスカレーターの通常の階段よりも蹴上の高い段差の1段分の重力のほかに、己のこの短期間の間に増加した脂肪にかかる重力が原因だったのかと気づき、痩せようと決意しながら、球磨焼酎のロックをあおるのであった。
- 03年12月08日(月)
- 昔の恋人にそっくりな人とすれ違う。その不機嫌な眉根。けだるそうな唇。疲れたように内股で歩くしぐさ。服装も、黒い髪も、なにもかもそっくりだった。俺は、文字通り目を見張ったし、己の目を嫌というほど疑った。しかし、他人のドッペルゲンガーに出会ったところでどうということもなく…。
- 03年12月03日(水)
- 糞があった。雨の朝。随分と手前から、その存在に気づいていた。避けよう。と、当たり前のように意識しながら、俺は、「あ、うんこだ。」と呟いて、それを踏み潰した。ソフトクリーム状のそれは、何の抵抗も音もなく、潰れた。呆然とした俺は、弛緩した体勢のまま己の足を見つめた。視線が耳に突き刺さった。道行く人の蔑む視線。あからさまに避けていく。仕方ねえな。駅の階段を駆け昇った。いつもは箱詰めのティッシュのように満杯の車両の中で、俺の半径1メートルには誰も近づかなかった。迷惑そうな変な顔。鼻で息をしないように懸命に努力しながらガムを噛む変な顔。まどろみたかったのだが、座席まで俺を避けているような気がしてならない。座れない。まどろみたいのだが、俺の周りは空白で、よりかかることはできない。まどろめない。大手町に到着したときには、もうクタクタだった。地下通路を逃げ惑う通勤人。まるで、テロルのようだ。このままでは、さすがに仕事ができない。それでも構わないが、なけなしの社会人としての意識を奮い起こし、俺は、靴を洗うことにした。運動場の足洗い場で濯いでいると、同級生が駆け寄ってきて、両手でヘンテコなサインを結んで「えんがちょ」と得意げに叫んだ。洗ったから大丈夫だよ。と弁解すると「そこの水には、毒が入っていて、この前猫がしんで、その水で洗ったから余計汚いんだよ。もう菌がとれないや。」と意地悪く、愉快そうに、ムキになって、唾を飛ばす。そうか。何をやっても駄目なのか。雨が上がっていた。会社に入ろうとIDカードを提示しようとしたところ、怒声。腰の引けた涙目の警備員に遮られる。やれやれと、警備員の顔を見上げると、中指と薬指で鼻をつまんでいたので、俺は、もうこらえきれなくて腹を抱えて笑った。
- 03年12月02日(火)
- ベルトを忘れたままでの出社。特別ゆるいわけではなく、ずり落ちる不便も無いが、変な感じだ。落ち着かない。眼鏡を外したときの感触に似ている。軽い圧力がないと落ち着かないものだ。数十分に一度、無いはずのベルトをつかむ。かけていない眼鏡を押し上げるように。
- 03年12月某日(某)
- 変な匂いがする。気づいているのは俺だけか。別の時間の違う場所で、立ち込める同じ匂い。ひょっとして俺の匂いか。焦って己自身を疑ってみるがそうではない。明らかに外部から漂ってくる。気づいているのは俺だけか…
- 03年11月28日(金)
- それを眺めていると、昔のことを思い出した。肛門から水があふれた。数年前、数週間ぶりに家に帰った俺は、酷い下痢に悶絶した。空っぽの腹。水しか出ない。肛門からでも尿を排出できることを学んだ。まるでヨーガの修行僧。口からあふれる水。マーライオン。特に訪れたかった訳でもないが、突発的な出発だったため目的の場所など無かった。気づいたら白いたてがみの獅子の前にいた。ちっぽけな魚の獅子。どこかの団体観光のガイドが解説している。「昔々、スマトラという国の王子が新しい領土を求めて航海にでた時、白いたてがみの獅子(シンガ)の住む島をみつけました。そして、王子はその島の名をこう名づけました。シンガプーラと。そして、これが、この国の象徴マーライオンです。もちろん、この像は人工のものですが、この獅子の口から溢れ出す水は、天然の噴水を利用したものなのです。それは、今も昔も海運で潤う海峡の国シンガポールの栄光と発展を象徴しておりまして…。」底意地の悪い忍び笑い。不意に聞こえた。いつの間にか隣に腰掛けていた褐色の肌のヒト。容姿だけでは性別判別不能。目が合った。「あの獅子が吐き出す水は、今はもう自然のものじゃないんだよ。」唐突に語りだす。声を聞いても性別判別できん。「確かに昔は、天然の湧き水だったよ。はるか昔の話なんだがね。」なにもかも唐突だ。「でも、今は枯れてしまってる。政府は慌てて、あの像の地下に人工の汲み上げ装置を設置したんだよ。随分、前のことで、その装置は、自動ではなく手動式。おまけに、設計書が拙かったらしく、以前は控えめに上品な湧き水が、今では小便小僧なみの勢い。それを嘆いた愛国主義の少女が自殺したっていう話もあって、シンガの傍らに少女の霊を見たって話まである。まあ、知っているヒトは知っているし、知らないヒトは知らない話だよ。」どこかで聞いたような話。中学の時の家庭教師は、愛媛県松山市の市役所に就職が決まった。配属されたのは道後温泉のボイラー係。最古の温泉は、当の昔に冷え切ってしまって、今では市の税金で湧き出る冷水を温めているのだそうだ。家庭教師は、もう一つ教えてくれた。「道後温泉の女湯には出るんだよ。幽霊が。なんせ、あんな石に囲まれた窓の無い浴室だろ。湧き出るのはヒトの手によって温められた冷たい水だ。そりゃ霊も外に出れないよ。
- 03年11月27日(木)
- 仕事をさぼってシンガポールに来た。髭を剃る必要は無い。とりあえず、空港にはガムを噛んでいる人は見あたらない。思い返してみれば、日本でもそんなことを気にしたことはねえ。電車に乗った。ここにも、やはりガムを噛む人はいない。いたとしても気にならなかったに違いない。あの電子レンジのように一杯の、通勤電車の中だからあんなにも脳に触ったのだ。そうなのだろう…
- 03年11月25日(火)
- ガムを噛む奴がいる。視覚と聴覚から不快感が押し寄せてくる。耐える。しかし、それは途絶えることがない。敵わない。それにしてもだ。俺は、こんなにも持続性のあるガムを経験したことが無い。最近、菓子製造の技術は飛躍的な発展を遂げたのか。尽きることの無い永久機関。そんなもの誰も望んでいないのに。少なくとも、俺は買いたくない。購買意欲をそそられない。変な顔の、エラの張った顎が懸命に上下運動を繰り返している。雨音のように止むことの無い咀嚼音は、雨音のように眠たい気持ちを誘発せずに、歯垢の匂いを車両内に充満させる。ひょっとして、味などどうでもいいんじゃねぇのか。噛めればよいのだ。咀嚼運動は脳の動きを活発にするらしい。変な顔は呆けたようにガムを噛みつづける。
- 03年11月23日(日)
- 借金取りからの電話。酷く失礼な奴。言葉が通じない。通じたためしがない。豪く怒っている。番号を確かめる。違うじゃないか。悪びれるでもなく訊ねてくる。「何番?何番?えっ、何番?何番?なんばん??…
- 03年11月19日(水)
- 同乗していた女性が悲鳴をあげた。路傍に倒れる死体を見たという。車にはねられ死亡した男性。俺には、何も見えなかった。血まみれの遺体。彼女には、死者の残像が見えるのだそうだ。生まれつきなのよ。と疲れた声で言う。数時間後、会話もないまま目的地に辿り着いた。車から降りると、先に到着していた人が、酷く慌てて駆け寄ってくる。告げられる悲報。彼女の夫がつい先ほど交通事故で亡くなったのだという。彼女が見つめていたのは他人の過去ではなく、夫の未来だった。
- 03年11月15日(土)
- 「ふざけんな、この野郎!!」自分の寝言で目覚める。しかし、夢の記憶は全く無く、それは、確かに己の声なのだが、他の誰かに怒鳴られたかのような気分。やってらんねえな、と二度寝するが、数分後に再び怒鳴られ目覚める…
- 03年11月某日(某)
- いろんなことをやめたくて仕方がなくてでかけることにした。知らない道を駆けていく。原付に乗るのは実に久しぶりだ。不安はない。路上には他に車は見当たらない。ここはどこだろう。案内標識を見上げてもぼやけている。眠いのか疲れているのか視界がかすむ。また乱視がすすんだか。いずれにしても、読めたところで地名などわからないだろう。この土地に移り住んで、じきに1年になろうというのに未知の場所ばかりだ。例え、解ったところですぐ迷うんじゃねぇか。休日だというのに続けての徹夜で時間の感覚がない。呑みすぎた酒が腹と頭に残っている。曇り空の色がわからない。時間がつかめない。約束の時間に遅れそうな気がする。電話をしなくてはいけない。携帯は置いてきてしまった。腹が減った。電話と食事を扱っていそうな店を探す。どこもかしこも閉まっていやがる。やはり、今は夜なのか。やはり、今は明け方か。単に寂れた町なのか。明かりが一つ。ラーメン屋。そもそも俺はうどんが好きなのだが、ラーメンが主食の土地で6年近く生活したために、そこそこに食いたくなるようになってしまった。どいつもこいつもラーメンが好きなのだ。皆、肉も好きなのだ。野球も好きなのだ。テレビも大好きだ。皆が好むものを楽しむことが出来ない馬鹿は息苦しくて仕方がない。店の親父は頑固そうだった。頑固親父が売りの店など大嫌いだが、そういう雰囲気でもなかった。古びた店内ではあったが、清潔感があった。客はいない。カウンターの前に少女と男の子が腰掛けている。この店の姉弟。少女が振り向き微笑んだ。以前にも会ったことがある。営業時間ではないのか、いくつかのテーブルの上には椅子が載っている。店に入ってもいいものか戸惑っていると少女が席を案内してくれた。食事にありつけそうだ。やはり、この少女のことを知っている。彼女も俺のことを知っているようだ。注文すると、少女は、調理に少し時間がかかります。と申し訳なさそうに言った。やはり、営業時間ではなかったのだろう。待っている間に電話をすることにした。少女に尋ねると、外に公衆電話があるとのこと。外は少し肌寒かったが、疲れた体には気持ちよくもあった。今は何時なのだろう。電話をかけようとするが、小銭がない。カードももっていない。持っている訳がない。めんどくさくなって店内に戻ろうとしたら、少女が小銭を持ってきてくれていた。電話をかける。なかなかつながらない。やっと、つながっても、電波が届きにくいのか、電話機そのものが悪いのか、それとも頭が悪いのか、会話が成り立たない。親の話す言葉の意味がわからない。しばらく努力したが、やがてあきらめて受話器を置いた。どうでもいいことだ。振り向くと少女がまだ待ってくれていた。話をした後、一緒に店内に戻った。
- 03年11月04日(火)
- 約束の時間に遅れそうなので、走って10分はかかる最寄の駅の一つ手前の駅に向かう。歩いて1分の距離。外は夜だった。時間はないのだが、昨日忘れたものを探しにYシャツに下着一枚のいでたちで列車の中に駆け込んだ。前方の車両に乗り込まなくてはいけないのだが、乗り込んだのは、やはり最後尾に近く、前方の車両への間には貨物車両が遮っていて抜ける事はできない。そうこうするうちに、発車を知らせる汽笛が鳴った。慌てて飛び出ようとしたが、閉まる扉は待ってはくれず、このままでは次の駅でパンツ一枚の情けない姿を見られてしまう。乗り込んだ車両には乗客はわずかなのだが、どの座席にも不思議と荷物が置かれている。中には、脱ぎ捨てたままのジーンズもあって、いっそのこと、盗んでしまおうかとも考えたが、わずかな乗客の目が気になって決行できず。早くどうにかしなければ駅についてしまう。古ぼけた車両の窓は、開閉可能で思い切ってそこから飛び出すことにした。一瞬、死の予感がしたが、なあに、まだ列車は走り出したばかりだ。多分、大丈夫だ。たぶん。窓を開けて身を乗り出す、慎重に足を降ろす。あっけなく無事に着地することができた。拍子抜けもしたが、そのままの勢いで線路の上を走った。勢いに任せて山の斜面を駆け上った。空は暗い。後ろを振り返ると、変な顔をしたセーラ服の女の子が自転車にまたがり追いかけてくる。変な顔。俺の名前を君づけで呼ぶ。何かを訊かれたが、何を訊かれたのか解らず、答えてはみたものの通じたかはわからん。横並びになって夜の森を駆け抜けた。森を抜けたそこは、小さな断崖となっていて、その下には岩石と花があたり一面を埋め尽くしていた。空には月が出ていたのか星が出ていたのか全く見当もつかないのだが、暗い空は何だかやけに明るく、呼応した地面の草花も同様に明るかった。駆け上ったそのままの勢いで断崖から飛び降りた。変な顔の自転車の少女は、そのときにも横にいたのかどうか。そんな事は初めからどうでも良かった。
- 03年10月某日(某)
- 昔、針になったことがある。ターンテーブルの針。回転するレコードに、ゆっくりと降りていく。色は無く、果てしなく静寂だった。
- 03年09月某日(某)
- 小刻みにうなずく人を見かける。
- 03年09月14日(日)
- 他人が死ぬ夢を、最近よくみる。決まって飛び降りる。俺は、見つめている。激突する瞬間は目を伏せる。気分のいいものではない。俺は傍観者だ。
- 03年09月13日(土)
- 朝の夢。突然のわめき声。父の声。鈍い音。通行人の悲鳴。窓の外は夜。ベランダから覗いた地面には、血まみれの遺体。父の死体。自殺。原因は俺。おそらく間違いない。
- 03年08月某日(某)
- そういえば、昔、掛け布団が腹の上で暴れたことがあった。あれには参った。
- 03年08月某日(某)
- 寝起きに、枕が顔にくっついて離れんことがしばしある。耳や目に吸い付いてくる。たまに口や鼻をふさがれるのでたまらない。酷く疲れる。
- 03年07月某日(某)
- 眠っているとたまに肩を押される。痛い。抵抗は出来ない。動けない。ひっくり返されたりする。目を開けないように気をつける。もう慣れてしまったけど何かが見えたら、それは怖いと思う。厭だ。だから、いつも目を閉じている。今日は恐怖が無かった。ひとしきりひっくり返された後、ぼんやりマブタをあけた。仰向けに寝ていた顔の上に緑色に光る蜘蛛の巣のようなモノがはっていた。意味ある形は無いように思えたが、じっと見つめていれば何かが(人の顔とか)表れる気がしたが、それは物凄く厭なので目を閉じた。
- 03年07月某日(某)
- 今日も朝、目覚めると心臓がバクバクする。心臓がバクバクするから目覚めるのではない。目覚めると心臓が激しく騒ぐのだ。高血圧なのか。しかし、酷く眠い。収まるのを待つ。待つうちに眠ってしまう。動悸が収まったわけでは無い。眠くて仕方が無い。低血圧なのか。ようわからん。脳は眠りを欲し、体は騒ぎたがる。